はじめに
車を持っている方は定期的に車検を受ける必要があります.
車検を受けないと法律的に車に乗れなくなってしまうだけではなく,部品の摩耗や劣化により最悪車が故障してしまうこともあります.
定期的なメンテナンスは車だけではなく腕時計にも必要です.
腕時計の車で言うところの車検を「オーバーホール」と呼びます.
今回の記事では腕時計のオーバーホールについての紹介や,各社のオーバーホールの料金について紹介しようと思います.
オーバーホールとは
概要
オーバーホールとは腕時計を一番細かい部品まで分解し洗浄や摩耗しているパーツの交換などを行う作業のことです.
組み直す際には新しく滑りを良くする油(グリス)を入れて,新品同様の姿に近づけることが可能です.
また,ケースやブレスの表面を研磨することで細かい傷を消して,綺麗な鏡面に戻すことが可能です.
オーバーホールの一連の流れについては,GrandSeikoの公式youtubeで実際に作業の様子を見ることができます.
つまり,腕時計は定期的にオーバーホールすることで綺麗な姿と高い精度を保ち続けることができるため,とても長い期間使い続けることが可能です.
これが他の自動車などとは違う腕時計の特徴であると思っています.
オーバーホールしないとどうなる?
車の車検と同様,オーバーホールをしないと精度が落ちてしまうだけではなく,部品の摩耗と経年劣化により,最悪の場合故障してしまいます.
せっかく高いお金を出して買った高級時計が10〜20年の短い期間で壊れてしまうなんて悲しいことにならないためにも,定期的なオーバーホールが必要です.
クォーツ時計もオーバーホールが必要
機械式時計だけではなく,クォーツ時計もオーバーホールが必要です.
クォーツ時計も腕時計を動作させるための歯車が摩耗してしまったり,歯車を回すためのグリスが古くなってしまうと,故障の原因になります.
ただし,スマートウォッチやデジタル時計などのすべて電子部品で作られている時計はオーバーホールの必要はありませんので注意が必要です.
何年ごとにやればいいの?
一般的なモデルだと3〜5年に一回のオーバーホールが推奨されています.
高級時計メーカーのモデルの中には5〜8年に一回という長い周期でも良いものも存在します.
各社オーバーホール料金まとめ
オーバーホールは各メーカーにより金額が設定されており,その中でもムーブメントの種類により金額が変わってきます.
クロノグラフ(ストップウォッチ機能)がついた時計などは非常に細かい部品が多いため,オーバーホールの料金が高くなる傾向にあります.

以下の料金は2023/3 時点でのものであり,かつ各料金は目安であることをご了承ください.時計の状態によって別途追加料金がかかる場合がありますので注意が必要です.
パテックフィリップ

世界三大腕時計メーカーの一つであるパテックフィリップは,腕時計も非常に高い技術が組み込まれています.それに伴いオーバーホールにも高い技術が必要となるため,比較的高い金額が設定されています.
- 手巻きモデル:¥131,380
- 自動巻きモデル:¥145,978
- コンプリケーションIII(アドバンスレベル)永久カレンダー搭載クロノグラフ 等:¥335,711
- それ以上の複雑機構搭載モデル:要相談
ここまでくるとオーバーホールの料金で高級時計が買えてしまうほどの金額であり,やはり成功を収めたお金持ちしか持つことができない特別な時計メーカーであることがわかります.
ロレックス

高級時計の代名詞であるロレックスは今も非常に高い人気の時計メーカーです.(ロレックスについての過去記事はこちら)そんなロレックスのモデルのオーバーホール料金はどれくらいなのでしょうか.
- デイトナ(クロノグラフ):¥88,000(+部品交換代)
- エクスプローラー,サブマリーナー,GMTマスター等:¥77,000(+部品交換代)
- オイスターパーペチュアル:¥60,500(+部品交換代)
オメガ

非常に高いスペックと素晴らしい歴史を持つブランドであり,日本だけではなく世界中で非常に人気があります.
- 機械式クロノグラフ:¥135,300
- クォーツ式クロノグラフ:¥90,200
- 機械式:¥105,600
- クォーツ:¥74,800
セイコー

世界に誇る国産時計メーカーのSEIKOは,高いスペックながら非常に安い価格であることが特徴です.
- 機械式:¥6,600~
- クォーツ,ソーラー,電波:¥5,800~
腕時計だけでなくオーバーホール料金も非常に安く抑えられているのが特徴です.
まとめ
いかがでしたでしょうか.
上述しましたが,腕時計は定期的なオーバーホールをすることで100年以上も動き続けることが可能です.
代々腕時計を資産として受け継いでいくためにも,時計をお持ちの方はぜひオーバーホールを検討してみてください.
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