はじめに
皆さんは世界5大ジュエラーをご存知でしょうか?宝石やアクセサリーで有名な5つのブランドはそう呼ばれており、宝石やアクセサリーに興味がない人でも名前は知っているくらいの有名ブランドばかりです。
そんな5大ジュエラーは全てのブランドで腕時計を扱っています。しかしその位置付けや歴史、技術はさまざまであり、深掘りして調べてみるとそのブランドの考え方がよく表れています。
今回は世界5大ジュエラーの腕時計についてご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
世界5大ジュエラーとは?
世界5大ジュエラーとは、世界でトップレベルに歴史があり格式高い、そして人気のある5つのジュエラーのことです。
カルティエ (Cartier)
- 創業年:1847年
- 創業者:ルイ=フランソワ・カルティエ
- 本社所在地:フランス、パリ
- 特徴:カルティエは、その象徴的なデザインと高品質な宝石で知られています。シンプルでありながらもエレガントなデザインと、そのユニークな取り付け方法で人気の高い「ラブ」ブレスレットなどの有名なコレクションがあります。
ティファニー (Tiffany & Co.)
- 創業年:1837年
- 創業者:チャールズ・ルイス・ティファニー
- 本社所在地:アメリカ、ニューヨーク
- 特徴:ティファニーは、その「ティファニー・ブルー」のボックスで知られています。特にエンゲージメントリングやシルバーアクセサリーが人気です。
ブルガリ (Bulgari)
- 創業年:1884年
- 創業者:ソティリオ・ブルガリ
- 本社所在地:イタリア、ローマ
- 特徴:ブルガリは、カラフルな宝石と大胆なデザインが特徴です。特にヘビ(イタリア語で「セルペンティ」)の形状やモチーフを特徴とした「セルペンティ」コレクションが有名です。
ヴァン クリーフ & アーペル (Van Cleef & Arpels)
- 創業年:1906年
- 創業者:アルフレッド・ヴァン クリーフとエステル・アーペル
- 本社所在地:フランス、パリ
- 特徴:ヴァン クリーフ & アーペルは、その詩的でロマンチックなデザインが特徴です。四葉のクローバーモチーフの「アルハンブラ」コレクションが特に有名です。
ハリー・ウィンストン (Harry Winston)
- 創業年:1932年
- 創業者:ハリー・ウィンストン
- 本社所在地:アメリカ、ニューヨーク
- 特徴:ハリー・ウィンストンは、特にダイヤモンドジュエリーで有名です。「キング・オブ・ダイヤモンド」とも称されるほど高品質なダイヤモンドを使用しています。日本では結婚指輪や婚約指輪で選ばれることが多いことで有名でもあります。
世界5大ジュエラーの作る腕時計
ハリーウィンストン
ハリーウィンストンは世界で最も格式高いジュエラーと言われ、特徴としてすべてのアイテムに最高品質のダイヤモンドを使用していることがあげられます。
ダイヤモンドの加工技術が非常に優れており、熟練の職人が一つ一つ丁寧に加工した最高級のダイヤモンドが集められて製作された製品は圧倒的な美しさを表現しています。
そんな「キングオブダイヤモンド」と呼ばれる同社の腕時計もダイヤモンドまみれかと思いきや、しっかりとした技術を織り込んだ、完成度の高い腕時計が多いことが特徴です。むしろダイヤモンドと腕時計をうまく融合させることで高い完成度の時計を作る、まさにジュエラーだからこそ作れるようなジュエリーウォッチを多く展開しています。
中でも人気が高いのはエメラルドシリーズと呼ばれるタイムピースです。
エメラルドシリーズは、ブランドの象徴的なエメラルドカットダイヤモンドからインスピレーションを得たエレガントな腕時計コレクションです。このシリーズは、ハリー・ウィンストンのジュエリー製造の卓越した技術と洗練されたデザイン美学を時計に融合させていると言われています。
こちらのモデルは94個のダイヤモンドが使われており、ケースには18Kローズゴールド素材が使われています。派手すぎず、尚且つ高貴な雰囲気を出している非常に高貴な腕時計であると言えるでしょう。
ブルガリ
一流ジュエラーとしての地位を確立していた1975年、お得意様向け限定に腕時計をプレゼントしたのがブルガリの腕時計の始まりと言われています。その限定モデルはその後、「ブルガリブルガリ」というモデル名で実際に市販化されました。
上記のモデルはクォーツですが、ブルガリの特徴として自社製の機械式ムーブメントを持っていることが挙げられます。前述の通り、腕時計開発を始めたのは1970年代と他の腕時計ブランドに比べ遅めであるにもかかわらず、有名技術者の引き込みなどを積極的に行うことで高い技術力を手にしました。
自社ムーブメントにこだわらず、汎用ベースのムーブメントを使うこともあり、うまく価格を低減して幅広い価格帯で販売しているのも特徴です。
また、もう一つの有名シリーズとして、オクトシリーズが挙げられます。
こちらのオクトローマは美しい八角形のケースが特徴です。イタリアの都市の名前を冠したこのモデルは、イタリアならではのデザインやインスピレーションを十分に表しています。デザイン以外にも、自社ムーブメントや夜光インデックス、100m防水機能など、スペックも大満足なラグジュアリースポーツウォッチです。
ティファニー
ティファニーも古くから腕時計を販売しており、1800年代には自社での腕時計開発を開始していた歴史あるブランドです。
1874年には腕時計技術の本場であるスイスに自社工場を建設しました。その工場ではミニッツリピーターなど腕時計メーカーでも実現が難しい超複雑機構の開発、製造を行うなど世界トップクラスの技術をも持っていました。
現在ではその工房を手放してしまい(パテックフィリップに売却)ましたが、最近は本格的な機械式時計の再興を目指しています。ただ、スウォッチグループとのいざこざなどがあったりとなかなかうまくいっていないのが現実のようです。
特に有名なモデルとしては、1850年代のブロードウェイ550番地のティファニーの正面玄関上に飾られたアトラス(ギリシア神話に登場する神)時計とモチーフにしたアトラスシリーズです。
特徴としてはグラフィカルなローマ数字インデックスです。一目でアトラスだと分かるような特徴的なデザインは、腕時計好きだけではなく世界中で愛されています。
しっかりと5気圧防水の高スペックとなっているのも、かつての腕時計トップランナーであった頃のプライドを感じさせてくれます。また、特にティファニーの象徴となっているティファニーブルーの文字盤も相まって、ティファニーらしい1本となっているのがこのモデルの特徴です。
また、余談ですがアトラスは現在はクォーツ時計がメインの販売となっていますが、自動巻式ムーブメントが搭載されていた時に生産されたモデルがまだ在庫にある場合は購入することができます。
カルティエ
カルティエの腕時計作りは、1904年にブラジル人飛行士サントス・デュモンのために制作した「サントス」から始まりました。この時計は世界で最初の男性用腕時計として歴史的なモデルとなっています。
また、フランス軍の戦車(タンク)のキャタピラーをヒントに制作された「タンク」も非常に人気のモデルです。
カルティエは2010年に、念願の自社ムーブメントの開発に成功しました。このムーブメントは、カルティエの所属するグループであるリシュモングループの基幹ムーブメントとなるほど高い評価を受けています。ジュエラーとしてのカルティエと腕時計ブランドとしてのカルティエの2面を持つ、隙がないブランドと言えるでしょう。
ヴァンクリーフ&アーペル
1930年代という早い時期からジュエリーと腕時計を融合させた製品を作り始めていました。
同ブランドの腕時計で特に有名なのは、ネックレスやブレスレットでお馴染みのアルハンブラシリーズの腕時計です。
アルハンブラはその誕生以来、ヴァン クリーフ&アーペルを象徴するコレクションとして、際立った存在感を放ってきました。腕時計もシリーズの一員としてラインナップされており、同ブランドの代表的な腕時計となっています。
また、1990年以降には機械式時計の開発も始め、今では腕時計ブランドでも開発が難しい複雑機構を搭載したモデルまで存在しています。
こちらの腕時計は天文学を題材とした複雑機構が搭載された腕時計です。文字盤には内部反射によりキラキラと閃光を発する鉱石のブルーアベンチュリンを使って夜空が表現されています。
ローズゴールドの太陽とその周りに水星、金星、火星、木星、土星、地球が計6つの惑星がセッティングされており、それぞれの惑星は実際の太陽の公転周期に合わせて文字盤を1周するというロマンティックな時計となっています。それを機械の機構だけで実現しているというところに、ヴァンクリーフアンドアーペルの技術力の高さがわかります。
ちなみに時間を見たい時は、外周部分にある流れ星が示している時間を確認します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ジュエリーブランドでありながら、腕時計作りにも力を入れているブランドが多く、完成度は腕時計ブランドのそれと大差ないということがわかりました。
ジュエリーと合わせてシリーズで時計を合わせるなども面白いかもしれません。ぜひ他のジュエリーブランドの時計も候補に入れてみて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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