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腕時計に学べ!EV普及に伴う自動車のサプライチェーンの今後について考える

雑談

はじめに

今回はちょっとマニアックなシリーズのため、初心者の方向けではないかもしれません。ご了承ください。

自動車業界のエンジニアでもある筆者はどうしても腕時計業界と自動車業界を繋げて考えてみたくなってしまいます。

腕時計も自動車と同様にたくさんの部品があります。

そのため、全ての部品を自社で作っているメーカーもあれば、部品の一部は専業の他メーカーから取り寄せているというメーカーも存在します。

部品の製造から組み立て、消費者に届けられるまでの商流のことを「サプライチェーン」と言います。

今回の記事中では、どこの部品をどの会社が作って、どこの会社が組み立てて….などの流れのことだとざっくり理解していただければ良いです。

今回は腕時計のサプライチェーンの変化から、電気自動車の普及に伴う自動車業界の今後のサプライチェーンの変化を予想しようと思います

腕時計と自動車の共通点

以前の記事でも書きましたが、腕時計と自動車にはたくさんの共通点があります。(EV(電気自動車)の今後はどうなる?腕時計の歴史から学べ!!

中でも、機械式時計とエンジン自動車、クォーツ時計と電気自動車はそれぞれ対応していると思っています。

それぞれ部品構成も大きく異なるため、それぞれのサプライチェーンの変化を見ていく必要があると考えています。

そのため、以降ではそれぞれどうなっていくのかを分けて考えていこうと思います。

腕時計のサプライチェーン

クォーツショックによる影響

1969年のSEIKOによるクォーツショックから腕時計業界の構造は大きく変わりました。(過去記事:セイコーが世界の常識を変えた!?クォーツショックとは

数多くの機械式時計を作っていた会社が廃業に追い込まれただけではなく、部品を供給していた部品会社も多く姿を消すこととなりました。

機械式時計に対して部品点数の少ないクォーツ時計は作るのが比較的容易であるため、色々なメーカーが新規で参入してきました。

それにともない、世界の腕時計のほとんどはクォーツ時計におき変わり、腕時計構造がまるまる変わってしまいました。

現在の腕時計サプライチェーン

機械式時計

ロレックスなどのハイブランドの会社は自社ムーブメント&自社生産を行っているのに対し、一般的な機械式時計はムーブメント会社の供給した汎用ムーブメントを組み立てて使う形で最適化されてきています。

代表的なムーブメント会社にETA(エタ)があります。

ETAのムーブメント

スウォッチグループというさまざまな腕時計メーカーが集まるグループに対してムーブメントを供給しており、それにより腕時計メーカーは腕時計の価格を下げることに成功しています。

このように機械式時計は、一部のマニュファクチュール(自社でムーブメントを開発、生産まで行う)のブランドを除いて部品メーカー支給の汎用品を使って共通化など工夫して価格を下げています。

クォーツなどの安価な時計

クォーツ時計は大量生産が可能であり自社で工場を持っている会社も多いですが、中にはデザインや部品だけ決めて、生産は他の会社に要請するという形も増えてきています。

このような形は、腕時計メーカーではないファッションブランドメーカーなどが生産ノウハウのあるメーカーに生産委託を出していることが多いようです。

このようなことができるのも、構造がシンプルなクォーツ時計だからこそです。

設計と生産を分業化することで別業種からの新規参入がしやすく、より効率的に開発や生産をすることができているようです。

自動車のサプライチェーン

今後のサプライチェーン変化を予想

こちらの予想は完全に筆者の個人的な意見です。

エンジン/ハイブリッド車

クォーツに淘汰された機械式のように、ガソリン車の生産数は減っていくでしょう。

トヨタ プリウス(公式サイト

それによりエンジン車の部品は車両ごとの固有の部品を作るのではなく、腕時計のETAムーブメントのように汎用部品で共通化されていくであろうと思います

すでにそういった動きは車業界で始まっており、共通プラットフォームを色々な車両で使いまわすことで開発コストを下げている会社もあります。

車両生産が減るに伴いエンジン部品のサプライヤーは数を減らし、完成車メーカーに吸収されることもあるかと思います。

電気自動車

クォーツ時計のように、設計だけを行う会社と生産だけを請け負う会社という業態が増えてくると思います。

テスラなど自社工場を持つ一部の会社を除き、EVからの新規参入メーカーは工場を持ちません。

そのため設計だけを行い、生産を外部に委託することで車の生産が可能になります

これによりAppleなどのIT企業も参入することが可能になり、今後EVの選択肢は増えていくことでしょう。

そのため、生産を行う生産請負会社が全体の主導権を握るような形になっていくのではないかと思います。

まとめ

今回は大変マニアックな記事になってしまい申し訳ありませんでした。

腕時計と車業界は大変似ているため、お互い学ぶところは非常に多いと思います。

車好きの人はぜひ腕時計の世界もこれをきっかけに調べてみてください。

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